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  雑木の庭と構成

 雑木の効用というとたくさんある。樹姿が、素直、率直であること。鋏をいれて人工的にいじめぬいて作りあげた庭に見られない美しさをもっている、というのがその最大の点である。
 雑木は、単純で、ほかの庭木の中に使ってはおもしろくない。何本か集まり、その美しさをたすけあい、強調しあってはじめて雑木本来の美しさを発揮する。
 これは、植裁構成の根本にも関することであるが、木を植えるということは、実在する木々そのものをそこにもってくることであるが、それは同時に、その木である空間を分割し、それによって、今までとはまた別の、いくつかの空間を形作ることを意味する。横から見て、場所をとらない美しい線となり、あるいは組み合わせ集団的に取り扱って面ともなり、ある場合には、厚さを持ってタテ線の集団ともなる。
 暗い木立をバックに、明るい線として使うのもおもしろく、また、石灯籠や滝障り等に使っても効果が著しい。
 雑木が庭木として優れている性質の他の一つに、配植の自由さがある。すなわち樹幹が平行に見えるような組み合わせ、また樹幹が放射状に見えるような組み合わせ、また、幾多の変化のある林の美観を表現するような植え方等、あるいは、同じ平行的樹幹の組み合わせながら、これに放射状の樹幹の傾き方を混用し、さらに林の変化ある姿を写し、その上これらの樹幹群を適当に大小の幹群に分けておもしろさを増し、さらにこの上に空間構成的な感覚によりその配植を考える等、配植の妙を表現するに適当な素材であることが、雑木が庭木として使いやすく使用視される重要な点ではないだろうか。
 雑木は春の芽先が特に美しい。芽の出だしから新緑、深緑いずれもよいが、葉の落ちたあとの樹幹、樹枝の美しさはまた別格である。

雑木の庭
 庭の設計を考えるときは、その庭の主題を決めてかかるとつくりやすいものである。ただ単にいろいろな植物や工作物を並べるよりも、的を絞ったほうがまとまりやすい。他種類の植物を並べると、植物見本のようになるし、種々の工作物を作ると造園材料の陳列場のようになる。ねらいどころを決めて設計にとりかかると、工夫もしやすいし、また考える課程で興味も倍加する。たとえば、雑木・竹・草花などの植物材料によって、主題を絞った庭も面白いものである。
 雑木は、昔の庭にはあまり使われなかった。しかし、山野を歩くとどこにでもナラやブナなどの雑木があり、ひなびた印象に郷愁をそそる。雑木をよく見ると、春の新緑、夏の強い日差しと濃緑、秋の黄葉、冬の落葉と木立に誘う木枯らしというように、春夏秋冬の表情の移り変わりの中に、自然の営みが読取れて味わい深い。庭にこの自然趣味の雑木を取り入れる。
 樹木は樹形と樹枝の雰囲気によって、洋風庭園向きと和風庭園向きとがあるが、両方に適したものもあり、その樹木の性質をよく知って使い分けをすると面白い。下草・草花でも同じことがいえる。
 雑木といえば、ナラ・クヌギ・ブナなどの落葉広葉樹で、以前までは薪炭材として、ある年限に達すると伐り取られていた。落ち葉も山掃除をして、燃料や堆肥に利用されていた。雑木林を掃除した跡に生えるヤマゴケなどは、庭の地被植物として使うとよいものである。雑木の庭にはこのほか、エゴ・コブシ・ヤマザクラ・ヒメシャラ・ソロ・ヤマモミ・リョウブ・ザイフリボク・ヒデ・ニレ・シナノキなど、いろいろな種類を混植してもよい。特にエゴ・コブシ・リョウブなどは花が美しく、エゴ・ヒメシャラ・リョウブなどは幹の色が美しい。使用法は、武者立ち仕立てのものを、多量にまとめて群植すると効果がある。これらの雑木を主とした庭は、威厳よりも柔らかさが感じられ、文人風の趣きが出やすい。近頃は都会の中の大きなビルの周囲の植栽にも、雑木が利用されて成功している。